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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
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<病院・夕方>
俺は、血が出るほどの勢いで唇を噛み、こぶしを握り締めながらその画面を睨みつけていた。
それは、先日の佳苗の治療の模様をビデオに収めたもので、神田先生から呼び出され病院で、佳苗が語る小学5年生の夏休みの出来ごとを見ていた。
望が出てきたと思われる場面で一旦ビデオは停止された。

神田 「宗一郎君、君も辛いと思うが、これは望君の身に起きた出来事のほんの一部だ。」
宗一郎「一部?まだ、こんなひどいことがあるというのですか?」
田崎 「この後、君にとっても更にショックなことが語られているが、落ち着いて見てほしい。望君自身が自分に起きた様々な出来事と向き合い克服することが一番の解決方法だと思っている。できれば人格の統合をと思っているが、それはまだ次の段階だ。」
宗一郎「・・・わかりました。」

そして再び3人は画面に目を向けた。

田崎 「さぁ、話して。君が知っていることを。」
???「・・・・」
田崎 「君は・・・望君ではないよね?」
???「!?」
田崎 「君は・・・誰?」

俺は驚いて目の前にいる田崎先生に目を向けたが、先生はじっと画面を見ている。

田崎 「君は、いつからそこにいるのかな?」
???「なんで・・・?」
田崎 「君はとても賢いから、たぶん自分でも気づいているんじゃないのかな?」
???「・・・・」
田崎 「いつまでも、このままではいられないと。思春期を迎えて、身体にも変化が現れ、佳苗ちゃんも自分の中で起きている色々なことに気づき始めている。」
???「・・・そうだね。」
田崎 「私は、君たちの手助けをしたいんだ。どうすることが一番いいのかはこれから話し合って考えていこう。だから、まずは今までのことを話してもらえないだろうか?」
???「・・・名前は、ショウ。佳苗と同じ年。いつからここにいるのかはわからない。」

その、ショウと名乗った少年は、望と佳苗を守ることが自分の役目だという。
二人を守る為に、その時々の状況に応じて、相手の望む通りに望や佳苗を演じてきたと。
最初は、母親の美鈴の虐待だったと言う。佳苗を溺愛していた美鈴は二人が喧嘩をしてもいつも叱るのは望だった。それは薄々感じていた俺だが、まさか幼い子供に対して手を挙げていたとは思ってもいなかった。
叱られる恐怖で殻に閉じこもってしまう望に替ってショウは望になりすまし、母親からの
暴力に耐えひたすら謝っていたと。
更に驚いたことに、そのころから既に望の中には佳苗がいて、時々佳苗に入れ替わり日常生活をしていたというのだ。

そして3歳の時に、佳苗が亡くなった。
あの時のショックで、望はそのまま部屋の中で眠りについてしまったのだという。
部屋と言うのは、佳苗も言っていた心の中のことだろう。
その為、望は未だに3歳のままだというのだ。

それからはずっと佳苗が表にでていたが、小学5年生の夏休みの事件でショウがまた出てくることになったのだという。しかし、佳苗はショウの存在を知らないため、望のふりをしてきたのだという。
そして、俺に対しても。
確かに、いつも俺と接しているときと、ビデオの中で話をしている彼とでは印象が違う。
俺の前では望を演じていたのだろう。
すっかり騙されていた。望だとばかり思っていたのだから、かなりショックだ。

神田 「宗一郎君、大丈夫かね?」
宗一郎「・・・はい。」
田崎 「それで、相談なのですが。私は、このショウ君に協力をしてもらい、元の人格である望君を眠りから起こしてもらおうと思うのです。」
宗一郎「そんなことが出来るのですか?」
田崎 「正直、やってみなければわかりません。しかし、佳苗ちゃんは望君の存在を知りません。まずは、望君に目覚めてもらわなければと思うのです。」
宗一郎「そうですね。望の身体ですし、望の人生です。」
田崎 「佳苗ちゃんの人格も、ショウ君の人格も、望君自身です。決して別々ではありません。ショウ君はそこを理解していると思います。ただ、佳苗ちゃんにそれを理解してもらうには、もう少し時間が必要だと思います。」
神田 「佳苗ちゃんは、ずっと自分が表に出て成長してきたからね。その身体が自分の自由にならないとなると、それを受け入れることは難しいと思うのだよ。」
宗一郎「そうですね。」
田崎 「今後の治療で、望君を眠りから起こすことが出来た時には、君にも協力をしてもらいたいと思っています。3歳の望君がどこまでこの状況を理解できるのかまだ未知数なもので。」
宗一郎「わかりました。・・・俺も、望に会いたい・・・です。」



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