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響瑠

Author:響瑠
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<病院・昼>
佳苗は夏休みに入ってから、ずいぶんと華道に熱中しているようだ。
残念ながら佳苗は花柳流の宗家になることはできない。
このまま、母さんが女の子を産むことができなければ、
いとこが継ぐことになるのかもしれない。
俺にはどうでもいいことだが、佳苗はきっと複雑な心境なのだろう。
そんなある日、俺は花柳家主治医の神田先生に呼び出され病院にいた。

神田 「宗一郎君、今日は暑いところわざわざすまなかったね。」
宗一郎「いえ、電話や家では話せないようなこと・・・ですよね?」
神田 「ははっ。宗一郎君は相変わらず頭がきれるよね。」
宗一郎「佳苗に何か?」
神田 「まぁまぁ。そう焦らずに。ふたつあるのですがね、
ひとつはお父上とお母上のことで。」
宗一郎「はっ?」
神田 「実は先日、お父上から相談がありましてね。・・・」

どうやら親父は、いよいよ母さん相手では勃たなくなってしまったらしく、不妊治療の相
談にきたらしい。
我が家は花柳流を継ぐ者が女子であるため、代々婿養子をとっている。
婿たちの使命は女子を産むための種をまくこと。それさえ真っ当できれば何をしても許さ
れる。しかし、不倫などをして外に子供を作ったりした場合は、即離婚をさせられる。
花柳流の血筋と、後の相続等の心配のためだろう。
余談だが、俺や母さんの弟のように花柳家に生まれた男子は、は結婚する際全ての相続を辞退し、婿養子に出る。相手方の姓を名乗るのほどの徹底ぶりだ。
佳苗が後を継げないことがわかり、叔父さんの娘が、頻繁に我が家を出入りしているが、親父としてはどうにか自分の役目を真っ当したいと考えているのだろう。

神田 「まぁ、それで私の知り合いの産婦人科を紹介したのですが、
後はお母上の説得が難しいということで、宗一郎君にも協力してほしいと言ってましたよ。」
宗一郎「なんだ、親父、そんなこと直接話せばいいのにな。」
神田 「近々、話はあると思いますよ。それと・・・望君のことです。」

神田先生は、我が家の事情を全て知っている。佳苗が本当は望であることも。
そのこともあって、俺もこの先生にはよく相談にのってもらっていた。
とは言っても、大概電話やメールなのでここに来たのは久しぶりなのだが。

神田 「佳苗ちゃんが最近、よくここに来るんですよ。」
宗一郎「あぁ、睡眠薬ですか?」
神田 「まぁ、お薬は依存性の副反応など少ないタイプを出してます。
    宗一郎君から佳苗ちゃんの様子は色々聞いていましたが、最近少し情緒不安定気味ですね。
まぁ、年頃なので色々悩みもあると思うのですが。それよりも・・・」

なんだか、先生の言葉の歯切れが悪い。
一呼吸して、俺の目を見つめる。

神田 「望君のことです。
あの時はまさか、こんな風に望君が佳苗ちゃんになりきってしまうとは思ってもいませんでした。
宗一郎「確かにそうですね。たかが3歳の望に、今日から佳苗になれと言っても
意味が通じるかさえ怪しかった。」
神田 「それに、最初は思い込みというか刷り込みで佳苗ちゃんになりきっているかと思っていたのですが、
人格そのものが佳苗ちゃんになったまま成長していきました。」
宗一郎「はい。正直戸惑いながら見守っていました。」
神田 「しかし、思春期になった頃から、望ちゃんの人格が現れた。」
宗一郎「そう・・・ですね。」
神田 「しかも、最近は頻繁に望君と佳苗ちゃんは人格を交代するようになっていると?」
宗一郎「そうですね・・・望は佳苗が深く眠っているときに現れるようなのですが。」
神田 「前にも話しましたが、私の見解では解離性同一性障害ではないかと思うのですよ。」
宗一郎「確かに・・・どちらも、本当に別人です。表情も話し方もくせも・・・」
神田 「知り合いの精神科の医者に相談したのですよ。もちろん名前等は伏せていますがね。」

神田先生の知り合いの精神科の先生の話によると、やはりその線が濃厚だと言えると。
ただ、その原因としては、やはり3歳の時の佳苗の死と、母親の言葉がキーのはずで、
それなら、3歳の望の人格もいるはずだという。
佳苗と同じように普通に成長した望だけが存在しているのでは、人格が分裂した説明がつかないと。3歳の時の心の傷を請け負った人格がいるのではないかということだ。
その話を聞きながら俺は、あの時の望の何の感情も宿さない蝋人形のような顔を思い出していた・・・。



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