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響瑠

Author:響瑠
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<河原・夕方>

光  「なぁ、紫苑。夕陽が綺麗やな。」
紫苑 「綺麗ですね。」

明け方まで愛し合っていた2人は、昼過ぎまでベッドでまどろんでいたが、午後にはペットショップに柚子の寝床を買いに出かけ、その帰り道の河原で少し休むことにした。
芝生に2人並んで腰をおろし、川の向こうに沈んでいく大きな太陽を、ただじっと見ていた。
光は夕陽を見つめながら、そっと紫苑の手を握る。

紫苑 「!?・・・光さん?」
光  「紫苑・・・生まれて来てくれて、ほんまありがとう。」
紫苑 「・・・突然、どうしたのですか?」

夕べから少し様子の違う光に、紫苑は不安を覚えていた。

光  「俺な、紫苑と出逢えて、好きになって・・・ほんま幸せやなぁって思うこと、いっぱいあんねん。紫苑と会うてなかったら知らん幸せや。」
紫苑 「それは・・・俺も、同じです。光さんと出逢ってなければ、人を好きになる気持ちも知らなかった。」

光は夕べ、紫苑の父親とほんの少しだが話をしたことで、ずっと心につかえていた、あやふやな疑問に答えを見つけた気がしていた。
紫苑が悩み、苦しんでいることを少しでも自分が一緒に背負うことができないだろうか。
事実は変えられないけれど、紫苑が生まれてきたことにはきっと意味がある。
それを、どうにか紫苑に伝えることはできないだろうか。
光にとって、紫苑はかけがえのない人で、紫苑がいない世界なんてもう考えられなかった。
だから、その気持ちを紫苑にどうしても伝えたかった。

光  「紫苑、前に生まれてきたらあかんかった言うてたやんか?ここにおったらあかん人間なんやって。」
紫苑 「・・・はい。」
光  「それは・・・出生のことやろ?確かに、男と女が結婚して愛し合って子供が生まれる言うんが本来の形やとは思うけど。・・・俺、紫苑の事好きんなって、はじめはあかん思ってたんやけど、そんなんどうしようもなくて・・・そやから、紫苑のお父さんの気持ち、少しわかる気すんねん。」
紫苑 「・・・そう、・・・ですね。」
光  「紫苑のお父さんがしたことがええこととは思わんけど、紫苑が生まれたことは、あかんこととちゃうねん。生まれてきてあかん人間なんて、この世にひとりもおらん。」
紫苑 「・・・」
光  「そやから、紫苑はもっと堂々と生きたらええねん。」
紫苑 「光さん・・・」

ずっと太陽を見つめながら話していた光が、目線を紫苑に向けると、紫苑はその瞳を覗き込む。

紫苑 「光さん・・・ありがとう。」
光  「ん?」

紫苑はつないだ手を、ぎゅっと握ると地球の陰に半分ほどその姿を隠した太陽を見つめた。

紫苑 「俺、今は生まれてきて良かったって思います。光さんと出逢えたから。ずっと一緒に歩いていきましょうね。」
光  「そうやな。これからずっと同じ景色みて行こうな。」

光はオレンジ色に染まる紫苑のほほに、チュっとキスをした。

紫苑 「!?・・・光さん?」
光  「そろそろ、帰ろうや。」

光は素早く立ちあがると走り出した。

紫苑は、光の言葉が嬉しかった。
今まで、もやもやとどんなに考えても見つからなかった答えを、光が教えてくれた気がしていた。

この人を好きになって良かった・・・。
絶対に手放したくない、大切な人。
この人と同じ夢を見て一緒にそこを目指して歩いていこう。

紫苑は口角を上げて穏やかに微笑むと、八重歯を見せて笑いながら走る光を追いかけた。


~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~


※【まだ見ぬ景色】の前編はここまでです。
後編につづく・・・のですが、その前にちょっとブレイク。

明日からは、【別冊:まだ見ぬ景色】~その頃、このふたりは・・・?~をお送りします。




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