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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
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<楽園地下・午後>

高校生の紫苑が夏休みに入ったことで、光が紫苑の家に来た翌日からLumie`re (リュミエール)は、いよいよ本格始動となった。

湊の車で楽園に向かっている彰仁から『もうすぐ到着します』とメールが届いたので、光と紫苑は地下まで下りてきた。もちろん、紫苑の背中にはベースがある。
扉を開いて地下駐車場に出ると、むわっとした蒸し暑い空気が2人を包み込んだ。

光  「むっちゃ暑いな。部屋ん中におったからすっかり忘れとった。」
紫苑 「これからスタジオに籠ったら、またこの暑さ忘れそうですね。」
光  「ほんまや。明日から散歩でもするかな。」
紫苑 「散歩って・・・。」
光  「景色を楽しみながら散歩すると、いろんな発見できておもろいんやで?」
紫苑 「そうですね。・・・散歩しましょうか。」

光が自慢気に話す姿が可愛くて、紫苑はつい自分も賛同してしまった。
そしてその光も、まだ見なれない紫苑の姿にドキドキしていた。
夕べ、寝る前にベッドの中で光は紫苑にひとつ提案をしたのだ。


光  「なぁ、紫苑。」
紫苑 「なんですか?」
光  「夏休みなんやし、本当の紫苑にならん?」
紫苑 「本当の俺?」
光  「髪の色戻して、黒いコンタクトせんで過ごさへん?」
紫苑 「え?」

予想もしていなかった光の提案に紫苑は戸惑った。
中3になったばかりの時に、出生の秘密を聞かされ、その年の夏休みから髪を黒くし黒いカラーコンタクトをしていた。すぐに伸びる髪の手入れは大変だが、それからちょうど2年になる。

光  「人は見た目ではない思う。そやけど、見た目でもあんねん。」
紫苑 「・・・どういうことですか?」
光  「第一印象のほとんどは、見た目やろ?人間はほとんどの情報を視覚から得ているらしいで。」
紫苑 「そうですね。」
光  「黒い髪で黒い瞳の姿で鏡に映る自分を見て、紫苑の心も影響受けてるんちゃうやろか?心ん中まで何かに覆われてしまってるような。」
紫苑 「・・・」
光  「もっと本当の心、みせて。」
紫苑 「本当の・・・心?」
光  「そうや。学校とか会社やったら黒髪で黒い瞳の方がええやろけど、ロックバンドのベーシストやったら、そんな真面目な印象いらんやろ?わざわざ金髪にしたりカラコンしたりする人も多いんやし。」
紫苑 「・・・」
光  「それやったら、本当の紫苑の姿で俺らと曲創って演奏せえへん?」
紫苑 「光さん・・・あなたって人は・・・不思議な人ですね。」
光  「不思議?」
紫苑 「大好きです。・・・これ本当の心ですよ。」

紫苑はそう言って光を抱きしめ、口づけたのだ。

そんなことがあって、紫苑は早朝からビルの下にある会社の、いつも髪の手入れをお願いしている人に頼んで、髪の色を戻してもらってきた。黒く染めていた色を落としたので本来の輝きのある銀髪よりもアッシュがかっているが、それでも印象はだいぶ変わった。


紫苑 「少し歩くと河原があるので、そのあたり良い散歩コースかもしれませんね。」
光  「河原言うたら、キャッチボールとかしたいな。」
紫苑 「いいですよ。」

そんな会話をしていると、駐車場に厳ついボディーの4駆自動車が入ってきた。

光  「いつ見ても、似合わんなぁ~」
紫苑 「あのベンツですか?」
光  「そうや。Gクラスなんてもともと軍用やで?湊のイメージとちゃうやろ?」
紫苑 「はい。・・・ちょっと意外でした。」
光  「どっちか言うたら、2シーターのスポーツカーとかスマートな車乗ってそうやのにな。まぁ、楽器乗せるから2シーターじゃあかんねんけど。」

見た目の印象と本当の自分・・・。
紫苑は夕べ光に言われたことを思い出し、湊もまた見た目の印象と本来の心には差があるのかもしれないな。などと思っていた。

湊たちは車を駐車スペースに停めると、それぞれ楽器を持って歩いて来た。

彰仁 「えぇ~!?紫苑くん、めっちゃかっこいい!!」
紫苑 「はぁ。」
光  「これが、ほんまの紫苑やで。」
晴樹 「そうなんや~?」
湊  「そのほうが、ええな。やっとほんまの紫苑くんに会えた気するわ。」
紫苑 「よろしくお願いします。」
光  「ぷぷっ。初対面みたいやな。」
彰仁 「かっこよすぎて、ちょっと緊張する。」
湊  「なんやそれ。あっ、車あそこ停めて平気やった?」
紫苑 「はい。大丈夫です。スタジオこっちです。あっ。光さん鍵開けて。」

紫苑が、スタジオの鍵を光に渡すと光はそれを受け取って先にスタジオへ向かう。
他のメンバーは紫苑の後ろについて歩きだした。
守衛のいる地下の入り口を入って、少し歩くと右手にスタジオのドアがある。

晴樹 「うわっ。本格的やんか。」
湊  「ほんまや、めっちゃ広いし録音もできるんやろ?」
紫苑 「はい。レコーディングもここでやりましょう。」
彰仁 「ドラムセットもこれけっこういいやつだよね?すごい!なんでこんなスタジオがあるの?」
紫苑 「親父の趣味です。親父が仲間とセッションしたりするので。後は、親父の知り合いに貸出したりもしてます。」
湊  「きれいにしてるし、しっかり管理されてるんやな。」
紫苑 「そうですね。俺も今まであまりここに来ていなかったので知らなかったんですけど。」
晴樹 「ほぼ毎日借りることになるけど、親父さん大丈夫なん?」
紫苑 「親父が使うのは、ほとんど深夜ですし年に数回ですから。」
彰仁 「お父さんって楽器何をやってるの?」
紫苑 「何でもやります。その日メンバーがいない楽器をする感じ。だけど、一番得意なのは、たぶんピアノです。」
光  「俺ら、幸せやなぁ。こんな立派なスタジオ借りられて。」
湊  「ほんまやな。」

楽器のセッティングをしながら、これから始まる本格的なバンド活動にそれぞれがワクワクしていた。




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