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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
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<ライブハウス・夜>

ライブが始まった。結成したばかりのバンドのわりに、客入りは良かったが、Lumie`re (リュミエール)のファンが早めに入店している影響もある。
CROSS ROADの演奏中、紫苑は楽屋で頭痛を堪えていた。
メンバーひとりひとりの技術は高いが、まるでそのテクニックをそれぞれが競っているかのようで、バンドとしてのまとまりがない。音のバランスが悪すぎるのだ。更にボーカルは怒鳴っているだけで、何も伝わってこない。
耳の良い紫苑には、騒音にしか聞こえず、拷問のような時間だった。
Lumie`re (リュミエール)のメンバーはフロアに出て、パフォーマンスを見ている。こちらも全員、しかめっ面だ。
ラストの曲になったので、みんな楽屋に戻ってきた。

晴樹 「なんや、酷い音やな。」
湊  「ほんまや、アキあんなバンド行かんでほんまよかったで。」
彰仁 「うん。一度だけライブみたけど、新庄の前のバンドもベース以外は最悪だったんだ。」
湊  「あいつ、耳悪いんちゃうか?」
光  「そんときの、ベースが紫苑やったんか?」
紫苑 「・・・はい。」
彰仁 「あっ!だから、紫苑くんのことどっかで会ったことあるって思ったんだ。」
晴樹 「今頃気づいたんか?」
彰仁 「うん。・・・だって、随分雰囲気違うよね?」
紫苑 「・・・そうですか?」
彰仁 「なんか、もっととんがってた感じがする。」
湊  「若かったからやないか?・・・って、今も若いか。」
晴樹 「そうや。一緒にいると同い年くらいと思ってまうな。」


確かに若かった。
紫苑は中学3年生になった時、自分の出生の秘密を聞かされて荒れた。
生きていく意味さえ見失っていた頃、大阪のライブハウスで光たちのライブを見たのだ。
そして、ベースを弾きはじめ、高校1年生の夏に当時3年生だった新庄が結成したバンドに誘われ、加入した。
その頃、自分の運命と闘って自暴自棄になっていた紫苑は、ベースを弾くときだけが唯一心休める時間になっていた。
そして、バンドは半年あまりで、あっけなく解散した。


CROSS ROADのライブが終わった。Lumie`re (リュミエール)の出番だ。
紫苑は、爆音で聞かされる雑音と、それによりもたらされる頭痛からやっと解放された。
光以外のメンバーは、楽器のセッティングの為、先にステージへ向かう。
最初に出口に向かった紫苑に光が声をかけた。

光  「紫苑!」
紫苑 「・・・?」

入口近くに立ち止った紫苑の肩に晴樹が手を置いた。

晴樹 「1カ月ぶりのライブやから、楽しもうや。」
紫苑 「はい。」

晴樹が出ていくと、彰仁が声をかける。

彰仁 「俺、あのバンドじゃなくてLumie`re (リュミエール)で紫苑くんと一緒にやれて本当によかったって思ってるよ。」
紫苑 「はい。・・・俺もそう思います。」

彰仁が出ていくと、湊が俯き加減の紫苑の顎に手を当てて上に向かせた。

湊  「なんや、紫苑くんらしないで。いつもみたいに堂々としてたらええねん。」
紫苑 「はい。ありがとうございます。」

みんなが楽屋を出ていってしまうと、光が紫苑に近づき向き合った。
光は、紫苑のしている細いネクタイを掴んで屈ませると、少し背伸びをしてキスをした。

紫苑 「!?・・・光さん?」
光  「好きやで。俺、紫苑ことが好きや。昔何があったんか知らんけど、それもひっくるめて今の紫苑がおるんやろ?ほんなら、しゃーないやん。」
紫苑 「光さん・・・。」
光  「今夜もライブ、一緒に感じ合おうや。」
紫苑 「そうですね。」

そう言うと、紫苑は光をぎゅっと抱きしめた。



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