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響瑠

Author:響瑠
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<紫苑の部屋・夜②>

紫苑は風呂に入ると、頭から水のシャワーを浴びた。

紫苑 「くそっ!・・・俺は、何をしているんだ!」

さっき風呂から出てきた光は、震えていた。そしてキスしてと言った。記憶の上書きをしてほしいと。
何をされたんだ、あいつに?
紫苑は光の心を深く傷つけた岸谷を憎いと思った。どうしたら傷ついた光の心を癒すことができるのか・・・。
あいつに触れられた光の身体の全ての場所に触れ、紫苑の体温を伝えたかった。唇で舌で、岸谷に付けられた記憶の全てを拭い去ってしまいたかった。
でも、そうするうちに紫苑は光の身体に夢中になっていくことを止めることができなくなっていた。その吸いつくような白くきめ細やかな肌にもっと触れたくて、唇で舌で感じたくて、いつしか熱くなっていく自分の身体を持て余し、どんどんエスカレートしていった。
その時、光に胸を押し返されハッと我に返った。
紫苑は、ただでさえ傷ついている光に追い打ちをかけるようなことをしてしまった自分が許せなかった。

これじゃぁ、あいつと大差ない。傷ついたあの人の心の隙間に付け込んで・・・最低だ。


紫苑が風呂から出ると、光はソファで横になっていた。色々なことがあって疲れたのだろう。眠っているようだ。
紫苑は静かに近づいてタオルケットをかけ、光の寝顔を見つめてそっと髪に触れる。

はぁ~。・・・俺、この人のことが好き・・・なんだな。
男を好きになることを、男を求めることを、あれほど拒絶してきたのに。
誰かを本気で好きになることなんて、絶対にないと思っていたのに。
よりによって、こんな事件で光への気持ちを思い知らされることになるとは・・・。

紫苑が住んでいる部屋は、神宮寺グループが所有しているビルの一つで、その最上階を神宮寺久遠が改築したものだった。神宮寺がひとりで過ごす時間が欲しい為に作った趣味部屋だ。紫苑は高校生になった時に、ここに引っ越してきて東側の幾つかの部屋を使用している。リビングを挟んで西側には神宮寺が使用している部屋が幾つかあった。その中にグランドピアノを置いてある部屋がある。神宮寺の趣味のひとつにピアノを弾くことがあったからだ。

紫苑はその部屋のピアノの前に腰掛けた。電気をつけていない部屋からは都心の夜景が星屑のように見える。そして空にはほんの少しの本物の星と霞んだ月が浮かんでいた。

ベートーベンのピアノソナタ第14番「月光」・・・光への想いを込めて鍵盤を弾く。

紫苑は2年前、偶然入った大阪のライブハウスで光を初めて見た時から魅かれていた。
でも、その時は女の子だと思っていたし、一生出逢うこともないだろうと思っていた。
しかし、スイートポテトで再会してバンドのサポートをすることになって、光が男だと知っても、どんどん魅かれていくことを止められなかった。だから、距離を置こうと決めたのに・・・。やっぱり放っておくことなんかできなかった。

俺は、どうかしている。・・・どうかしているけれど、光をどうしようもなく好きなんだ。

紫苑が「月光」を弾き終え深呼吸をすると、後ろからふわりと抱きしめられた。

紫苑 「えっ!?」

いつの間にか目を覚ました光がこの部屋にいたことに、紫苑は全く気がついていなかった。

光は紫苑を後ろから抱きしめると、頬ずりをする。

紫苑 「・・・光さん?」
光  「・・・紫苑・・・俺な・・・紫苑が好きや。・・・なんや、こんなん初めてでどうしてええんかわからんのやけど・・・。紫苑は男やし俺も男やし、こんなん変やと思うねんけど、どうしようもないねん。紫苑こと想うとドキドキするし、会えないと気になって仕方ないし、紫苑とキスしたくて、本当はもっと・・・んっ!?」

紫苑は光が照れながらも、言葉を選び一生懸命気持ちを伝えてくれる様が愛しくて、たまらず振り向いて唇を重ねた。そして、光の腕をとり自分の膝の上に乗せ見上げると、月光を反射してキラキラと輝いている光の大きな瞳をみつめた。

紫苑 「光さん、可愛い。」
光  「な、なんやねん。」
紫苑 「俺も、光さんが好きです。どうしようもなく愛おしい。」
光  「・・・紫苑・・・」
紫苑 「キスして。光さんから・・・」

光は紫苑の首に腕をまわし唇を重ねた。恐る恐る紫苑の唇の間へ舌を滑り込ませると紫苑がその舌に吸いついてきた。
舌を絡め、お互いの吐息を飲み込むように絶え間なく求めあう。

光  「ふぅ・・はぁ・・・んっ・・しお・・んっ・・はぁ・・・」

光は少し唇を離すと、紫苑におでこをくっつけた。

光  「紫苑?・・・俺、紫苑が欲しいねん。」
紫苑 「・・・こんな時に、またLumie`re (リュミエール)のことですか?」
光  「あほ。・・・Lumie`re (リュミエール)にも欲しいけど、今のはちゃうねん。」
紫苑 「あほって言うな。」

二人は見つめ合って笑うとまた、唇を重ねた。




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