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響瑠

Author:響瑠
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<ホテルのラウンジ・夕方②>

紫苑はピアノの前に座り、深呼吸をすると鍵盤の上に指を置いた。
ひとたび鍵盤を弾き始めると、ラウンジ内が紫苑の色に包まれる。
リストのパガニーニによる大練習曲・第3番『ラ・カンパネッラ』
零王が好んでよく弾いている曲だ。
体調も機嫌も良い時は超絶技巧練習曲を弾いたりしているが、指慣らしも練習もしていない紫苑がここで弾くにはリスクが大きすぎる。
紫苑は全神経を耳と指先に集中して、その音を紡ぎだしていた。
・・・が、一瞬視界の隅に光を捉えたたような気がした。
そして、ほんの僅か音が乱れた。もちろん一般の人には気づかれないほどの微妙な乱れだ。
その一瞬以外は完ぺきに演奏をして弾き終えた。
最後の音を弾きだし、ゆっくり息を吐き出すと立ちあがった。
大きな拍手に包まれながら席に戻ると、神宮寺が片眉を上げて紫苑を見ていた。

やっぱり、この人にはバレてるのか。

倫太郎「いやぁ、零王くん素晴らしい!なんや有名なピアニストみたいやったわ。」
紫苑 「いえ。」
神宮寺「今日は梨里香さんに見とれて少し緊張していたみたいですがね。」
梨里香「そんなこと。零王さんの優しさが伝わるような演奏で、めっちゃ素敵やったわ。」
紫苑 「ありがとうございます。」

紫苑は会話をしながらも先ほど視界の端に捉えた光に似た人の姿が気になって仕方がなかった。

倫太郎「どうやろ、この後は零王くんに梨里香を東京見物にでも連れて行ってもらえんやろか?」
神宮寺「それは、良いですね。」
梨里香「あ、そんならちょっと御化粧室へ。」
倫太郎「神宮寺さん、ゆっくり仕事の話しましょう。その前に、わしもちょっと電話をしてくるよって、席外さしてもらいます。」
神宮寺「はい。わかりました。」

湊親子が揃って席をはずした。大方ふたりで零王への印象などを相談に行ったのだろう。

神宮寺「お前らしくないな。音が乱れたのは、あのボーカルの彼のせいか?」
紫苑 「!?」

やっぱりあれは、あの人だったんだ?・・・なら、一緒にいた人は誰だ?
しかし、この人には何でもお見通しなんだな。ムカつく。

紫苑 「あの人と一緒にいた人は、誰ですか?」
神宮寺「気になるのか?・・・音楽プロデューサーだ。自称な。」
紫苑 「自称?」
神宮寺「ああ。あまり良い噂は聞かない。立場を利用して若者をいいように騙してるとかな。特に美少年が好みらしいぞ。」
紫苑 「なっ!?」

紫苑は立ちあがっていた。
が、その瞬間神宮寺に手首を掴まれ、すぐに着席させられた。

紫苑 「離せ!」
神宮寺「今、お前は零王だ。」

紫苑は神宮寺の手を振りほどき、詰襟の制服を脱いで神宮寺の膝に置くと、コンタクトを外して指先で潰し、パラパラとテーブルに置いた。
ふたりは、声を荒げるわけではなく、無表情のまま低い声でやりとりをしていた。

紫苑 「俺は、紫苑だ!見合いという役目は果たした。東京見学は後で、零王に行かせればいい。」

紫苑はそう言うと立ちあがり走り出していた。

神宮寺「まったく。このホテルに部屋がいくつあると思っているんだ?」

そんな神宮寺の言葉は紫苑には届いていなかった。

どうして?あの人は、相手がそんな奴だって知っていてついて来たのか?それとも騙されているのか?どちらにしても、どうしてあの人ひとりなんだ?他のメンバーは?ひとりでホテルになんてのこのこついて来て・・・あの人は自分のことを知らな過ぎる。あんな奴に自分がどんな目で見られているかわかっていない!

・・・部屋はそこそこ上階だがスイートではないはず。
紫苑はエレベータで上を目指す。
このホテルの事は熟知していた。零王になりきる為に神宮寺グループの企業等はひととおり勉強している。
エレベータを降りたタイミングで携帯のバイブが振動した。見ると、湊からの通話着信だった。

湊  「もしもし、紫苑くん?ももがっ!」
紫苑 「はい?」
湊  「今、どこにおる?」
紫苑 「銀座です。」
湊  「ももが、岸谷と・・・しょうもない音楽プロデユーサーとRegnbage (レグンボーゲ)ホテルに行ってしもた。ももからのメール、今気づいて電話したんやけど、繋がらん。」
紫苑 「今、Regnbage (レグンボーゲ)にいます。必ず助けだします。部屋わかりますか?」

紫苑は湊との通話を切ると、目的の部屋に向かった。




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