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響瑠

Author:響瑠
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<ライブハウス・夜③>

彰仁のカウントで曲が始まった。
紫苑がテンポの速いリズムを爪弾く・・・彰仁のドラムが重ねてリズムをとる・・・
会場の客たちが拳を挙げ、リズムに合わせて身体を揺らす。
晴樹のギターが高音で入り、湊のピアノがやさしくメロディーを奏でる頃には、紫苑は曲の世界に入っていた。
まず、光のリバーブのかかったコーラスがはいる。

光  ♪Believe In Future 未来を信じて~ Believe In Future その夢信じて~♪

そして、光の歌声・・・・・。

客のテンションは一気に上がった。ステージ上も熱くなる。
紫苑は、湊の音、晴樹の音、彰仁のリズムを感じていた。
しかし・・・光の声だけは別の世界から聴こえてくる。
ムカつく・・・紫苑は光が明らかに過去の世界で歌っているのが見えて面白くなかった。

途中、紫苑と晴樹は目配せをして立ち位置を交代し、客を煽る。
光は晴樹に近寄りその肩に手をかけて歌っている。
紫苑は自分が前に出て煽ったところで、喜ぶ客はいないことを知っている。
みんなLumie`re (リュミエール)を見に来ているのだ。
間奏に入ると、紫苑はセンターに移動し無表情のまま真正面を見て両足を大きく開いて立った。
腰のあたりにあるベースで、ただ力強いリズムを打ち出す。身体は微動だにしない。
すると光がセンターに戻ってきて、客に背を向ける形で紫苑に向き合うとマイクをギターのネックにみたててエアーギターで紫苑を煽てきた。
紫苑は視線を正面から光に移動して、無表情のまままっすぐに見つめた。
光の心がここにないのが気に入らない。紫苑は光にこっちの世界で歌えと伝えたかった。

紫苑 「こっちに来いよ。」

紫苑がクチパクで光に言うと、光は意味がわからなかったのか少し紫苑に顔を近づけてきた。
もうすぐに歌いだしだ、時間がない。
紫苑は思わず、光の薄い唇にチュッと唇で触れた。
一瞬光は目を大きく見開いたが、すぐに身体をくるりと回転させ客席に向かって歌いだした。
紫苑はそのまま定位置に戻り、無表情のままリズムを刻む。

客席からはふたりのそんなやりとりは見えていない。
せいぜいふたりが近寄って、煽っているというパフォーマンスに見えただけだ。
もちろん、それでかなり盛り上がったわけだが。
ただ、少し高い位置からキーボードを弾いている湊だけが、それを目撃していた。

荒療治のようなやり方だったが、やっと光が同じ世界で歌いだした。
紫苑は、きゅっと結んだままの唇の口角を少しだけ上げた。
湊のメロディ・晴樹の音・彰仁のリズム・・・そして光の声を、紫苑は心と身体で感じて、その世界に浸った。
メンバーも客たちもラストに向けてボルテージを上げて行く、会場がひとつになった。

光 ♪行こうぜ!キラキラのあの場所へ この手をとって、一歩を踏み出すのさ♪

  ♪Believe In Future 未来を信じて~ Believe In Future その夢信じて~♪


目を閉じて最後の音を弦で弾きだすと、紫苑はそのずっと先に虹をみたような気がした。



光  「みんな、最後まで聴いてくれて、ほんまありがとー」

光はそう言って、腰から深く頭を下げた。なかなか顔を上げない。
会場からは大きな拍手が続く。
他のメンバーも、光の周りに集まって、それぞれお礼を言って頭を下げる。
紫苑は、黙って頭を下げた。

すると会場がざわついて、黄色い声とともに暁がステージに上がってきた。

暁  「もも!今日はごめん!俺が悪かった。」
光  「暁!?・・・いや、俺も言いすぎてしもた。ごめん。」
暁  「客席から、お前らのライブみて、ももが言ってたことが良くわかった。俺は、Lumie`re (リュミエール)の色には混ざれないけど、自分の色で勝負する。絶対、キラキラのあの場所で、共演しようぜ。」
光  「あぁ、そうやな。暁、来てくれてありがとう。」
暁  「いや。俺、お前らだけじゃなくて今日来てくれたみんなにも、謝らなきゃいけないって思ったからさ。みんな、ごめんな。チケ代は俺が自腹で返す。」
光  「あほ。それは俺が約束したんや。」
暁  「そうはいかねーよ。」

ステージでふたりがやりとりしていると、会場からは笑い声が上がる。

客  「チケ代いらないよ~」
客  「今夜は楽しかった~」
客  「また、いいライブしてよね~」

客たちもそれぞれの思いを叫び、会場は拍手で包まれた。
ステージ上のメンバーも、笑顔だ。
紫苑は、そっと後ろに下がりステージを降りた。



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