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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
また、ここに記されている内容はオリジナルですので
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嵐のように大騒ぎをして、渚とコウが帰って行くと部屋はまた静かになった。
俺は口を開くとまた宇宙に説教してしまいそうで、なんとなく当たり障りのない話をして早めに休むことにした。
しかし、ベッドに入っても一向に眠れそうもなく、何度も寝がえりを打ってはため息をついていた。
「宇宙は眠れただろうか?」「宇宙は慣れない部屋で寂しくはないだろうか?」「宇宙は・・・」
頭の中はリビングを挟んだ向かい側の部屋で眠る宇宙の事でいっぱいだった。
なんだって、俺はこんなにも宇宙の事が気になって仕方がないんだ?
まったく、いい年したおっさんが、恋でもあるまいし・・・恋!?
はっ?恋・・・はないだろう?ないない。10歳も年下の男の子に恋?
まさか・・・な。

なんだか、悶々としてきたので、酒でも煽って眠ろうと決めて、部屋を出た。
ドアを開けると、真っ暗なリビングにあるTVがついている。音は聞こえないが画面は・・・?
おい、俺と宇宙のAVじゃないか!?
楽園の寮内にあるTVでは、楽園のAVがいつでも見ることができる。自分のモノをみて反省するなり、人のモノを見て勉強するなり、おかずにするなり使い方は色々だが。
宇宙と俺のは宇宙のデビューがまだ決まっていないので販売はされていないが、ここでは見ることができる。
さっき、渚が宇宙に色々レクチャーしていたから、きっと教えてもらったのだろう。
それにしても、おいおい。
おじさんは眠れないって言うのに、初日から余裕でAVですか?やっぱり19歳は若いね~。
宇宙の姿は見えないので、ソファーの下に座っているのだろう。
まさか、オナニーしてたりして・・・。
俺は悪戯を思いついた子供のように、後ろからそっと近づき、宇宙のヘッドフォンを外した。

宇宙 「えぇ!?」
和樹 「何みてるの~?」

驚いて立ちあがりながら振り返った宇宙の大きな目からは、大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちている。宇宙は慌てて自分の服の袖口でそれをぬぐった。

和樹 「・・・どうした?」
宇宙 「あ・・あの・・・ごめんなさい。」
和樹 「怒ってない。俺はAV見ながら泣く奴を初めてみたぞ。」
宇宙 「あ・・その・・・ごめんなさい。ごめんなさい。」

宇宙は、しゃがみ込むと両手を自分の顔の前でクロスしながら、ひたすら謝る。
良く見ると、宇宙の手の甲には赤く滲んだ歯形がついている。自分の手の甲を噛んで声を押し殺して泣いていたのか?
俺はTVの横にある暖色灯をつけてTVを消した。
宇宙の前に座り、その手首を握って開き顔を覗き込む。

和樹 「何があった?」
宇宙 「・・・」

宇宙は俯いてただ首を横に振る。

和樹 「わかった。言いたくないなら何も言わなくていいから、泣け。」
宇宙 「え?」
和樹 「思いっきり泣け。・・・とにかく、声出して泣け。」

宇宙は下唇を噛んで、きょとんとした顔で俺を見ていたが、すぐに涙が溢れてきてボロボロとこぼれだす。俺は手首を握っていた手をはずし、親指でその雫をぬぐう。
座ったまま、両足と両手で宇宙を包み込んだ。

和樹 「我慢するな。ちょっと位大声出しても、このマンションの壁は厚いから大丈夫だ。とにかく、ここで泣け。」

俺は自分の胸を手のひらで叩いた。
宇宙は俺の首に両手をまわして、俺の胸に顔を埋めて泣きだした。細い肩を震わせ、しゃくりあげる。俺はその背中をそっとさすった。
宇宙は堰を切ったように声を出して子供のように泣く。
昼間はドライなほどにひょうひょうといていたくせに、夜中にひとりで声を殺して泣くなんて。こいつは今までこうやっていつもひとりで泣いてきたのだろうか?
まったく、何をこんなにため込んでいるんだ。

どれくらい泣いていただろうか、やっと落ち着いてきたので顔を覗き込んだ。

和樹 「少しは落ち着いたか?」
宇宙 「はい。すみませんでした。」
和樹 「なぜ、謝る?俺が泣けと言ったんだ。泣きたい時は思いっきり泣いた方がすっきりするだろ?」
宇宙 「はい。」
和樹 「ホットミルクでも飲むか?」
宇宙 「はい。」
和樹 「じゃぁ、ソファに座って待ってろ。」

俺は、冷蔵庫から牛乳を出してマグカップに注ぐとレンジでチンして宇宙に渡した。
自分用はバーボンのロックだ。

和樹 「言いたくないならいいけど、何で泣いてたんだ?それもAV見ながら・・・」
宇宙 「・・・撮影の時の事・・・思い出して・・・」
和樹 「え?撮影・・・嫌だったの?」
宇宙 「ち、違います!・・・僕、こんな風に大切に抱いてもらったのって初めてだったから・・・でも、撮影だし演技なんだなって思ったら悲しくなっちゃって・・・」
和樹 「はぁ!?お前、いままでどんな恋愛してきたんだよ。男見る目なさすぎなんじゃ?」
宇宙 「そうかも・・・しれません。好きになる人はノンケだったりバイだったりで、興味本位で付き合ってくれたりセックスしてくれても、どこか精処理的で・・・僕は心のつながりが欲しいのに・・・」
和樹 「ん・・・まぁ、難しいとろこはあるわな。すぐに身体許さなきゃいいのに。」
宇宙 「・・・強引に・・・されること・・多くて。」

俺はふと気づいて、宇宙の袖をまくりあげた。そこには拘束の痕が紫色になっていた。
驚き逃げる宇宙の背中のシャツをまくりあげると、透き通るような白い肌にいくつものあざや傷跡がある。

和樹 「彼氏にやられたのか?」
宇宙 「・・・はい。」
和樹 「まったく。別れられて良かったな。」
宇宙 「はい。」
和樹 「・・・今夜は、一緒に寝るか?」
宇宙 「えっ?」
和樹 「あっ、変なことはしない。ただ、俺が心配なだけ。宇宙を一人で寝かせるのが。」

宇宙は、コクリと頷くと立ちあがった俺を見上げてニッコリと微笑んだ。
うぅ~ん。可愛い。その笑顔だよ。

俺は身体がでかいのでベッドはクイーンサイズ。お陰で男ふたりでベッドに入ってもそれほど狭くはない。
遠慮がちに端に横になる宇宙を抱きよせて腕の中に閉じ込める。

和樹 「なぁ、宇宙?これからは、ひとりで泣くな。俺のいるところで泣け。」
宇宙 「え?」
和樹 「だから、俺のいないところで泣くなって言ってるんだ。」
宇宙 「・・・はい。」
和樹 「俺が心配だから。」
宇宙 「わかりました。」
和樹 「あと、敬語やめよう。なんだか堅苦しい。」
宇宙 「はい。・・・あ、うん。」
和樹 「少しは甘えることを覚えなさい。」
宇宙 「は・・・うん。」
和樹 「寝るぞ。」
宇宙 「おやすみなさい。」

俺は宇宙のおでこにキスをした。

和樹 「あ、それと・・・演技じゃ・・・なかったぞ。」
宇宙 「えっ!?」
和樹 「おやすみ。」

俺は起き上がろうとした宇宙の頭を押さえこみ、強く抱きしめた。
しばらくすると、宇宙の規則正しい寝息が聞こえてきた。
なんだかんだ、気を張って疲れていたんだろう。やっぱりまだ19歳だな。
しかし、俺は宇宙が相手だと、なんだか柄にもないことばかりしているな・・・。



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