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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
また、ここに記されている内容はオリジナルですので
著作権は作者にあります。勝手に使用しないでくださいね。
【18禁表現を含みます】


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【別冊:まだ見ぬ景色】10 ~その頃、このふたりは・・・?~

<僕の天使ちゃん③> ←をクリックすると本編の「その頃」が開きます。


彰仁が目を覚ますと、ニコニコと微笑む湊と目が合った。
カーテンの外は既に明るくなっている、湊のベッドの中だ。
寝ぼけ眼を、パチパチとしばたかたせながら湊をみた。

彰仁 「祥くん・・・おはよ。」
湊  「おはよう。僕の天使ちゃん。」
彰仁 「・・・!?」

「ん?・・・俺、寝ぼけてるのか?・・・天使って・・・夢?」

そんな彰仁の心の声が聞こえたのか、湊は彰仁の髪を白くて細い指で梳きながら顔を覗き込む。

湊  「夢やないで。ずっとアキの寝顔みてた。」
彰仁 「・・・なんで?」
湊  「可愛いから・・・幸せ噛みしめとった。」

そして、少しずつ覚醒してきた彰仁は夕べのことを思い出した。

「あっ。・・・俺、祥くんに告って・・・うわっ。」

急に恥ずかしさがこみ上げて、布団の中にもぐりこんだ。

湊  「どないしたん?」
彰仁 「・・・夕べ・・・俺、気失った・・・?」
湊  「そうや。・・・そのまま眠ってしもたから、ちょっと心配やったけど、ちゃんと寝息して気持ちよさそうやったから、そのまま寝かしたんやけど。」

「うわぁ・・・うわっ・・・恥ずかしい。どうしよう。あんなに俺・・・」

湊  「なんや、顔見せてえな。アキ・・・もしかして、夕べのやっぱり嫌やったん?男にされんのは気持ち悪かったん?」
彰仁 「ちっ、違うよ。・・・でも、嫌だった。」
湊  「え!?」

湊は慌てて布団を剥ぐと、潜っている彰仁の顔を見つめた。

湊  「嫌・・・やったん?」
彰仁 「・・・だって、・・・俺ばっかり・・・なんども・・・」
湊  「それは、ええやんか。僕がアキを気持ちよくさせたかったんやから。」
彰仁 「だって・・・恥ずかしいじゃん。・・・祥くんは服着たままだし普通だし。」

真っ赤になりながらムキになって抗議する彰仁が可愛くて、湊はその唇を塞いだ。

彰仁 「んんっ・・・はぁ・・・・ず・・・るい・・よぉ・・・あんっ・・・」
湊  「アキ、可愛い。・・・僕だって普通やなかったで。そやけど・・・・・」
彰仁 「・・・だけど、何?」

彰仁はくりくりっとしたまあるい瞳で湊をみつめる。

湊  「僕な、アキんこと大事にしたいねん。そんな急に色々したらアキ壊れてまうやろ。」
彰仁 「え・・・?・・・そうなの?」
湊  「ほらな。アキは、男同士でエッチするんがどういうんか、よう知らんやろ?」
彰仁 「・・・うん。・・・女の子とも・・・したことないけど。」
湊  「えぇ!?・・・そうなんや?」
彰仁 「うん。」

「マジか・・・ほんま、夕べ手出さんとよかった。・・・修行僧並みの試練やったけどな。」

湊は、夕べのことを振り返りながら、冷や汗を拭った。

射精をせき止められた彰仁は、この上ないほど乱れた。
瞳を潤ませ半開きの唇からはキラキラ光る唾液が溢れ、身体をビクビクっと痙攣させながらイかせてと懇願する姿が、湊はたまらなく愛しくて執拗に愛撫したのだ。
何度目かの絶頂を迎えた時に、そこを開放すると彰仁は甘美の声をあげて達し、そのまま意識を手放したのだ。
彰仁が感じやすい敏感な体質なのだと察し嬉しかったが、このまま彰仁を抱いたら壊わしてしまいそうだと思ったのだ。

湊  「アキ、好きやで。そやから、少しずつしよな。」
彰仁 「少しずつ・・・?」
湊  「そうや。・・・僕、アキがほんま大事やねん。そやから少しずつ愛し合おうな。」

彰仁は湊の、愛し合おうな・・・という言葉が嬉しくて、そして恥ずかしくて湊の胸に顔を埋めた。

彰仁 「うん。・・・祥くん・・・大好き。」



別冊:まだ見ぬ景色 Fin



~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**~。。~**

取りあえず、まだ見ぬ景色(前編)の番外編はここまでです。
このふたり、まだ最後までいってないんですね~湊がちょっとへんた・・いえいえ、ちょっと変わり者なんで。このふたりのことも見守っていただけたらと思います。

本当はGW中、楽園の番外編でも書こうと思っていたのですが、発熱して寝込んでしまった為断念。ちょっと休んで、まだ見ぬ景色(後編)に行こうと思います。
よろしくお願いいたします。



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【別冊:まだ見ぬ景色】9 ~その頃、このふたりは・・・?~

<僕の天使ちゃん②> ←をクリックすると本編の「その頃」が開きます。


「なんで祥くんはそんなこと言うんだよ。彼女、本当は出来てないって言ってるのに。なんで、俺のこと拒絶するようなこと・・・。新しい彼女作れだなんて・・・もう、無理なのに。」

彰仁は、明らかに自分と一線を置こうとしている湊に、少しの苛立ちと寂しさを感じていた。それでも、もう後戻りは出来ないと決心していたのだ。

彰仁 「だって・・・気づいちゃったんだ。」

彰仁は湊をまっすぐに見つめると、その首に両手をまわして唇を重ねた。チュっと触れるだけの可愛いキス。それでも、彰仁には精いっぱいだった。恥ずかしくて心臓がバクバクと音を立てている。唇を離すと耳まで真っ赤にして俯いた。
そして、暫くの沈黙・・・。

湊  「アキ・・・?」

湊は、彰仁の思いもかけなかった突然のキスに、一瞬思考がストップしていた。
そして、深呼吸をすると、俯いてる彰仁の頬を両手で挟み上を向かせて見つめる。

湊  「アキ?」
彰仁 「俺、気づいちゃったんだ。祥くんのことが・・・好きって。」

彰仁は勇気を振り絞って告白した。その瞳の奥がキラキラしていて湊は軽く息を飲む。

湊  「好きって・・・アキ、ちゃうやろ?・・・男同士の好きはこういうんせんのやろ?」
彰仁 「そう思ってたけど、好きになっちゃったら、男も女も関係ないんでしょ?」
湊  「・・・そうやけど、ほんまにええんか?・・・こっち側にきてしもて、ええんか?」
彰仁 「こっち側?」
湊  「アキは、ちゃんと女の子好きになれるのに、男好きになって後悔せんか?」
彰仁 「俺は男が好きなわけじゃないよ。・・・祥くんが好きなんだ。」
湊  「アキ・・・。」

湊にはもう、自分の気持ちを押し殺し、彰仁を拒むことはできなかった。
すぐに、彰仁の赤みがかった唇を啄む。何度も何度もそれを繰り返し、そのキスは鼻先や瞼や額や頬に、チュッチュッと音を立てて繰り返される。

彰仁 「祥くん・・・くすぐったいよぉ・・・」

甘えた声と天使の笑顔・・・湊は幸せを噛みしめた。
彰仁を抱き上げるとソファに寝かせ、自分を見つめる淀みない綺麗な瞳を見下ろすと、唇を重ねた。今度は舌を使って熱く口づける。彰仁の唇の間を舌先で何度も往復し、やっと歯列を割ってその中に入ると、彰仁の口腔内をくまなく舐めまわした。角度を変えては差し入れられるその舌に、彰仁は吐息を漏らさずにはいられなかった。

「祥くんって・・・綺麗で王子様みたいなのに・・・エロい・・・・」

彰仁はそんなことを思いながら、必死でそれに応えた。
その間にも、いつもは音を奏でる白くて細い湊の指が彰仁のTシャツをまくりあげ皮膚の上をなめらかに滑り、胸の突起を捉える。

彰仁 「あぁん・・・はっぁ・・はぁ・・・はぁ・・・」
湊  「アキ?・・・嫌やったら嫌って言い。無理はせんから。」
彰仁 「嫌・・・じゃない。・・・恥ずかしい・・だけ・・・・」

湊は耳たぶを甘噛みし、舌がその周辺を動き回ると、ピチャピチャという水音がダイレクトに聞こえてくる。彰仁はその音を聞きながら、少しずつ身体の中心に熱が集まって行くのを感じていた。
そして湊の舌が、膨らんでいない硬い板についているだけの小さな突起を捉える頃には、彰仁の下腹部にあるそこは芯を持ち熱くなっていた。

彰仁 「んふぅ・・・んぁ・・・はぁん・・・んんっ・・・あぁ・・・」
湊  「アキ・・・ここ感じるんや?・・・敏感なんやな?」
彰仁 「あっ・・わかん・・ないよ・・・あんっ・・・ビリビリして・・熱いっ・はぁ・・」

湊は彰仁の下腹部に手をやると、カーゴパンツを押し上げ苦しそうにしているそこを布越しに擦る。彰仁の、もう既に下着を濡らしているだろうそこは、もっと強い刺激が欲しくて腰を僅かに浮かせてしまう。湊はそんな彰仁の気持ちを知ってか知らずか、それ以上力を入れる事無く擦り続ける。

彰仁 「ンッ・・ンッ・・・祥・・くんっ・・んっ・・もっと・・・ンッ・・」

消え入りそうな声で彰仁がねだる姿が可愛くて、湊はその唇に吸いつき甘噛みし舌を絡めながら、彰仁の下半身を露わにした。熱をもって脈を打つそこは一気に冷房の利いた冷たい空気に晒され一瞬の解放感に包まれる。
しかし、すぐに刺激を求めてヒクヒクと動き出したそれを、湊の手が包み込んだ。ゆっくりと上下されるだけで彰仁はゾクゾクっとする快感に支配された。

彰仁 「あぁっ・・・もう・・イっちゃいそう・・・んんっ・・・あんっ・・・」
湊  「アキ、ほんま感じやすいんやな。可愛い。」

湊はそう言うと彰仁のペニスを咥えた。冷たい空気に晒されていたそこが、火傷しそうなほど熱いものに覆われて、彰仁の身体はビクンっと跳ねた。

彰仁 「ああんっ・・んなぁっ・・・はぁ・・・はぁ・・・んんんっ・・・・」

彰仁は腰を浮かせ、湊の肩のシャツにしがみつき、達してしまいそうな快感を必死に堪えるが、湊は彰仁のペニスの先を指先で割ると、尖らせた舌先を差し込んだ。

彰仁 「んなぁっ・・・あんっ・・・ダメぇ・・・あっイくっ・・イクぅ・・・」

彰仁は背を反り全身を痙攣させて達した。

彰仁 「はぁ・・はぁ・・はぁ・・えっ・・・?・・はぁ・・・はぁ・・・」

「イったのに・・・イってない・・・?」

彰仁は確かに達していたが射精していなかった。まだ、身体が熱くて、そこは更なる刺激を欲っしうねっている。

湊  「アキ・・・まだや。・・・もっと気持ちようなって・・・・。」

湊の手は彰仁のペニスの根元をしっかりと握っていた。そしてすぐにその先端を口に含むとまぁるい亀頭を舌でなぞり始めた。



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【別冊:まだ見ぬ景色】8 ~その頃、このふたりは・・・?~

<僕の天使ちゃん①> ←をクリックすると本編の「その頃」が開きます。

いつも通り、湊の家でライブの打ち上げをすることになった。
そこで、晴樹が紫苑に正式メンバーにならないかと持ち出した。
紫苑は自分の話をしたがらない。しかし正式メンバーとなれば、そうも言っていられない。
心を決めたかのように、新庄が言っていた女がらみの話や、莉薗が登場したことで明らかになった家の事情や出生の秘密などを淡々と話した。
Lumie`re (リュミエール)のメンバーは、その想像も出来ないほど複雑な話に驚きはしたけれど、紫苑が何故頑なに人と関わることを嫌がるのか、目立つことを嫌がるのかを知ることができて、内心ほっとするところがあった。
その話をするきっかけとして、湊は自分がゲイであることを告白した。Lumie`re (リュミエール)のメンバーの前でだけは、自分を偽りたくないと思ったのだ。

湊  「メンバーにはバレてるみたいやから、この際カミングアウトするけど、僕はゲイやねん。女を好きになれんのや。女は抱けない。そやから後継ぎつくれんやろ?」
紫苑 「・・・ご両親はご存知なんですか?」
湊  「知っとるよ。東京出るとき言ってきた。・・・で、紫苑くんの話は?」

湊の言葉に彰仁はドキリとした。

「祥くん・・・。俺の事、からかってたわけじゃないんだ。本当に・・・俺の事・・・?」

彰仁は、自分を好きだと言ってくれた湊にどれほど酷いことを言ってしまったのか、思い出すだけで胸が苦しくなった。

「俺の事・・・からかったの?」
「・・・俺、男だし。・・・俺だって祥くんのこと好きだったけど、でもっ!・・・こんなことするの、変だよっ!男同士でキスとか・・・祥くん頭変になった?」
「祥くんのバカっ!!」

今、思い出しても心が痛い。

「あんなこと・・・もし、自分が好きな人に言われたら・・・耐えられないよ。」

好きな人・・・彰仁は、たった今頭に浮かんだその人を見ると、目が合った。

湊  「さっきからずと黙っとるけど、アキも賛成やろ?」

「祥くんは、いつも俺の隣にいて俺を見ていてくれた。俺が落ち込んでいれば励ましてくれるし、悩んでいればアドバイスをしてくれる。・・・俺が何も言わなくても、時には俺より先に俺の変化に気づいて・・・助けてくれたんだ。・・・それを、当たり前だと勘違いしてた。バカは俺だ・・・。」

彰仁は熱いものがこみ上げてくるのを止める事が出来なかった。

彰仁 「・・・うん。」
湊  「えっ!?アキ?・・・なんで泣いてんねん?」
彰仁 「祥くん・・・俺、俺ごめん・・・」
湊  「アキ?・・・ちょ、ちょっと待ち。」

湊は慌てて近くにあったタオルを彰仁の頭にかぶせた。


Lumie`re (リュミエール)のメンバーは、何かを察知し早々に引き揚げ、湊と彰仁を2人にしてくれた。
湊がみんなを玄関まで見送りに行き、リビングに戻って来ると、彰仁は頭にタオルを被ったままリビングの椅子に座っていた。
湊はその彰仁の目の前に膝をつくと、下から顔を覗き込む。

湊  「アキ?大丈夫か?」
彰仁 「祥くん、ごめんね。・・・俺、オレ・・・」

彰仁はまた、ぽとぽとと大きな涙の雫を落とす。湊は彰仁が頭に被っているタオルでその涙を拭き取った。やっぱり、直接は触れてこない。彰仁の胸はチクリと痛んだ。

湊  「どないしたん?」
彰仁 「俺、祥くんに酷いこと言った・・・本当にごめんなさい。」
湊  「なんや、そのことか。・・・もう、ええねん。僕はさっき言った通り、男の人しか好きになれん。そやけど、アキはちゃうねん。そやから、僕の気持ちがわからんでも、それは仕方ないことやし、それでええねん。ただ、こういう人もおるんやってことは、僕んことだけやなしに、わかってほしい。それを理解しろとか受け入れろとか言うてるんとちゃうで?そこは誤解せんといてな?」
彰仁 「・・・うん。」
湊  「誰かを好きになるっちゅうことは素敵なことやで?例え年が離れてても、身分の差があっても、国が違っても、男同士でも・・・。ただな、この間僕がアキにしたことは、あかん。アキの気持ちを無視して自分の欲望を押しつけてしもた。嫌な思いをさせてしもたな。そやから、アキが怒ってもあたりまえや。謝らなあかんのは僕のうほうや。ほんま、ごめんなさい。」

彰仁は、ずるずると椅子から降りて湊の前に膝をついた。頭に被っていたタオルがはらりと床に落ちる。

彰仁 「違うんだ・・・。」
湊  「ん?」
彰仁 「俺、嫌じゃなかった。祥くんにキスされて・・・触られて、ドキドキしてたんだ。どんどん身体が熱くなって・・・そんな自分が怖かった。」
湊  「・・・そうか。・・・ほんでも、やっぱりあれは・・・」
彰仁 「違う!・・・俺はもっと触れて欲しいって思ってた。・・・もっとキスしたいって。だからっ。」

湊は彰仁を強く抱きしめた。
湊の心は揺れた。彰仁は自分を嫌がっていたわけではなかった。でも、自分は男しか好きになれないゲイだけれど、彰仁は違う。ノーマルの彰仁をこちら側に引き込んではいけないのだと、あの日心に決めていたのだ。
暫く無言でお互いの心臓の音を聴いていたが、湊はふぅっと息を吐くと少し身体を離して、彰仁の髪を撫でる。

湊  「もうええ。ありがとう。ありがとうなアキ。そやけど、新しい彼女出来たんやろ?それやったら、彼女と幸せになり。」
彰仁 「・・・出来て・・ない。彼女作ろうと思って合コンいっぱい出たけど、全然その気になれなくて・・・・。」
湊  「なんや、嘘か?ほんまに・・・まぁ、それでもそのうち可愛い彼女出来るやろ。」
彰仁 「無理だよ・・・。」
湊  「なんでや?アキ、モテるやんか。」
彰仁 「だって・・・気づいちゃったんだ。」

彰仁は目の前にある、湊の切れ長の目をまっすぐに見つめた。




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【別冊:まだ見ぬ景色】7 ~その頃、このふたりは・・・?~

<天使の笑顔> ←をクリックすると本編の「その頃」が開きます。


ライブの日まであまり時間がなかったが、家の用事で練習に参加できない紫苑以外のLumie`re (リュミエール)のメンバーは連日顔を合わせていた。そのせいもあって、湊と彰仁の関係もライブの日が近づくにつれ、いつもどおりに戻りつつあった。
ただひとつのことを除いては。

あの日から、湊は彰仁に一切触れなくなった。
それまでは、ことあるごとに彰仁の髪に触れ、頭をぽんぽんと叩き、ハグをするほどに湊の彰仁に対するスキンシップは日常化していた。
特にふたりっきりのときは、彰仁を抱きしめて眠るくらいに。
しかし、あの日以来、湊が彰仁に触れることは一度もなかった。

「なんだか祥くんが遠い人になっちゃった感じ・・・だな。」

彰仁は、あの時自分が怒ったから湊が触れてこないことはわかっていた。でも、それまでいつでも隣にいて、ことあるごとに触れられていたので、それがないということに、なんだか寂しくなってしまうのだ。

「でもっ!・・・やっぱりおかしいよ。男同士であんなの。きっとからかわれただけなんだ俺・・・。」


ライブ当日、やっと紫苑が合流できることになり、早くからライブハウスでリハーサルをすることになった。ところが、突然紫苑の彼女だと言う綺麗な女の子が来たかと思ったら、それは紫苑の兄弟だということが判明したり、紫苑があの神宮寺グループの息子であることが判明したり・・・紫苑のプライバシーが次々に明らかになり、紫苑についてほとんど何も知らなかったLumie`re (リュミエール)のメンバーは驚きを隠せなかった。
更に、この日の対バンCROSS ROADのリーダー新庄は、前に紫苑と一緒にバンドを組んでいて、女がらみの問題で紫苑を恨んでいたり。実は彰仁も新庄のその時のバンドにスカウトされていたりと、とにかくライブ直前に目まぐるしく事件が起きていた。

新庄は紫苑に女をとられたことを思い出し苦々しい顔をすると、八つ当たりなのか彰仁に対して嫌味を言ってきた。

新庄 「今のバンドじゃ、お前なんかに頼まなくて良かったよ。このドラムすげぇから。」
湊  「アキ、知り合いなん?」
彰仁 「高校が一緒だったんだ。前にバンドに誘われたことがあって。」
湊  「そうなんや。アキがよそ行かんと、Lumie`re (リュミエール)のメンバーになってくれて、ほんま良かったわ。Lumie`re (リュミエール)には欠かせん色やからな。」

湊はいつもの涼しげな笑顔だったが、目が笑っていない。

「祥くんの笑顔が怖い・・・。でも、俺の事庇ってくれたんだ・・・。」

彰仁はそう思うと嬉しくて、ちょっとだけ口元が緩んでいた。


いよいよ1カ月ぶりのライブだ。
いつもはクールな紫苑が、流石に少し落ち込んでいる。楽屋を出る時にひとりひとりが紫苑に声をかけた。晴樹が、彰仁が、湊が・・・。
彰仁は楽屋を出てから、湊が気になり振り返ると、まさに湊が紫苑の顎に手をやりキスをしようとしている!?

「嫌だ!」

彰仁はドキリっとして目を閉じた。心臓がドクンドクンと大きな音を立てて鳴り響き、手が震えている。

「どうしよう・・・こんなじゃライブできない。」

彰仁は、ステージと楽屋の間の物陰で身動きできずにいいると、楽屋から出てきた湊に声を掛けられた。

湊  「アキ?・・・どないしたん?」
彰仁 「っ!?・・・祥くん・・・紫苑くんに何したの?」
湊  「ん?・・・落ち込んで俯いてたから、顔上げて堂々としい言うてきた。」
彰仁 「・・・それ、だけ?」
湊  「それだけ・・やけど?なんで?」
彰仁 「・・・キス・・した?」
湊  「はぁ!?・・・何言うてんねん?・・・この間は悪かった思うてるけど、僕かて誰かれ構わずするわけやないで?アキやから・・・それだけは、・・・信じてほしいわ。」
彰仁 「ごめん。」

湊は、ふっと微笑んで彰仁の頭に手を置こうとして、途中で引っ込めた。

湊  「ほらっ。ライブやで楽しんでいこうな。」
彰仁 「祥くん!」

彰仁は、ステージへ向かおうとする湊のシャツを思わず掴んだ。

彰仁 「・・・いつもみたいに、・・・ハグして。」
湊  「アキ・・・?」
彰仁 「お、俺、なんか緊張しちゃってて、ほら、手が震えて。」

彰仁は小刻みに震える両手を湊の前に出して見せた。
湊はその手を両手で包み引き寄せると、彰仁をふわりと抱きしめた。

湊  「・・・アキ。アキは出来る子やから大丈夫や。いつも通り楽しもな。」
彰仁 「もう。・・・子供扱いなんだから。」

彰仁は久しぶりに湊の香りに包まれ、その体温を全身で感じて安心すると、ステージへ向かった。

「久しぶりにアキの・・・天使の笑顔を見られたな。ほんま良かった。」

そして湊もまた、ほっと息を吐き出すと、ステージへ向かったのだった。




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【別冊:まだ見ぬ景色】6 ~その頃、このふたりは・・・?~

<音楽のラブレター> ←をクリックすると本編の「その頃」が開きます。


Lumie`re (リュミエール)のメンバーが2週間ぶりに集まることになった。
練習を休んでいる間に、光は大変な事件に巻き込まれていたが、幸い紫苑が助け出し事なきをえた。

結局、彰仁からの連絡は一度もなかった。泣きながらこの部屋を飛び出してから2週間。久しぶりに会う彰仁はどんな顔でここに来るのだろうか。湊は不安で仕方がなかった。

一番乗りでやってきたのは、意外にも彰仁だった。いつもと変わった様子もない。
いや、いつものように甘えた雰囲気はなかった。少し大人びた顔つきになっている。

湊  「久しぶりやな。その、この間は・・・」
彰仁 「もういいよ。・・・祥くんのスキンシップは嫌いじゃないし。あの時はちょっとビックリしただけ。気にしないで。俺、新しい彼女出来たから。」
湊  「・・・そうか。・・・ほんま悪かったな。」

彰仁は、たいしたことじゃないとでも言うように、平然としていた。
湊は胸が痛んだ。
彼女が出来たと言われたことはもちろんショックだったが、それよりもあの天使の笑顔が消えてしまったことに。

すぐに晴樹が到着した。湊は光が来る前にこの二人に光が岸谷に襲われた事件の内容を掻い摘んで話した。

晴樹 「ほんま腹立つな!アキも可愛いんやから気つけや。」
彰仁 「えっ!?・・・な、何言ってんの?俺は大丈夫だよ。ももくんみたいに美人じゃないし。」
湊  「・・・」

彰仁は、もし自分だったらと思うと怖くて足が震えた。
湊にされたのとは全然違う。湊のキスは優しかったし、身体に触れられることも嫌ではなかった。それを、他の男にされたとしたら・・・そう考えるだけで吐き気がした。
彰仁は、チラリと湊の顔を見た。いつものクールな表情で何を考えているのかわからない。

「もし、俺がそんなことになったら・・・祥くんは助けに来てくれるのかな・・・」

ふっとそんなことを考えて、慌てて首を振った。

「何考えてるんだ俺・・・。」


光が少し遅れて到着して、それからみんなが持ち寄った曲を順番に聴いていく。
Lumie`re (リュミエール)の曲作りは、湊、晴樹、光が担当している。光は作詞も作曲もするので、ほぼ曲を完成させてきて、みんなでアレンジをする。湊と晴樹は曲だけを作ってきて、その作品のイメージを光とディスカッションし、光が後から詞を書いてみんなでアレンジする。というのが通常だ。
メンバーが曲作りをする会話に、彰仁はほとんど加わらない。自分で曲をかかないということもあるが、やはりこの3人はどこか心が通じ合っていて、そこからLumie`re (リュミエール)の曲が生まれるのだと思っているから。

湊は機材を使って打ち込みもして録音するので、曲はほぼ完成した形で聴くことができる。湊が作った曲は2曲。ポップな感じの明るいリズムだけど、どこか切ない。
その曲を聴きながら、なぜか彰仁はあの日の熱っぽい湊の瞳を思い出していた。そして、自分の名前を耳元で囁く甘い声が聞こえていた。

アキ・・・アキ・・・ふぅ・・・アキ・・・・

祥くん・・・悲しい顔してた。俺の事が好きだって言った。いつもみたいにからかっている風でもなかった。
可愛くてって・・・。可愛くてキス?・・・子供じゃないし。
好きだからキス・・・?男同士なのに?
だけど・・・俺だって祥くんにキスされて、身体に触れられて、熱くなってた・・・。
他の男だったら気持ち悪いだけなのに。
合コンのゲームで、男同士でキスするとかだって嫌なのに。
祥くんのキスは嫌じゃなかった。・・・っていうか、ドキドキした・・・?
初めて両想いになった女の子とキスしたときみたいに・・・ドキドキした。
なんで?
俺の頭変になった?バカは俺?また、ぐるぐるしてきた・・・。

光  「アキ、どう思う?」
彰仁 「えっ!?」

いつの間にか曲は終わっていて、光に話しかけられ、彰仁は慌てて現実に戻ってきた。





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